
国の支援強化の動きから考える、50代からの住まい整理
「実家はいずれ空き家になるかもしれない。でも、今すぐ売る決断はできない」
そんな思いを抱えている方は少なくありません。
親が高齢になった実家や、相続した家。思い出が詰まっているから手放しにくい一方で、使わないまま持ち続ければ、固定資産税、修繕、草木の手入れ、防犯などの負担が続きます。
2026年9月、日本経済新聞に、国土交通省が空き家などを改修して賃貸に出す事業者を対象に、優遇融資の制度を2027年度にも設ける方針との掲載がありました。物価や住宅ローン金利が上がるなか、比較的手の届きやすい中古住宅を活用しやすくし、適切に管理された既存住宅の賃貸流通を後押しする狙いです。
「売る」か「持ち続ける」か、だけではありません
実家や空き家について考えるとき、選択肢が「売却」か「そのまま保有」かの二択になりがちです。
しかし、もう一つの選択肢として考えたいのが、必要な改修をしたうえで賃貸として活用することです。
賃貸活用には、家賃収入を得られる可能性があるだけでなく、人が住むことで家の傷みや防犯面の不安を抑えやすいという側面があります。「まだ売る決断はできない」「将来、家族の誰かが使うかもしれない」と考えている場合には、所有しながら活かすための選択肢になり得ます。
ただし、すべての空き家が賃貸に向くわけではありません
賃貸活用を考える際に大切なのは、「貸せるか」だけでなく、継続して借り手に選ばれる住まいにできるかを見極めることです。
たとえば、次のような点を確認する必要があります。
- 立地や周辺環境に賃貸需要があるか
- 雨漏り、設備の老朽化、耐震性など、建物の状態はどうか
- 入居前にどこまで改修が必要か
- 改修費、管理費、固定資産税などを含めても収支が成り立つか
- 遠方に住んでいる場合、誰が管理を担うか
- 将来の売却や相続の方針と矛盾しないか
特に、築年数が古い家や地方・郊外の物件では、改修すれば必ず借り手が見つかるとは限りません。初期費用をかけた後に空室が続けば、かえって負担が重くなることもあります。
住まい整理は、家族のこれからを考えること
空き家の問題は、不動産だけの問題ではありません。
誰が管理するのか。将来、誰が引き継ぐのか。家族の思い出をどう扱うのか。必要な費用をどう負担するのか。
だからこそ、「空き家になってから慌てて考える」のではなく、親が元気なうち、あるいは相続が起きる前から、家族で話し始めることが大切です。
売る、貸す、住む、残す、あるいは別の用途で活かす。正解は一つではありません。物件の状態、地域の需要、ご家族の状況、そしてこれからの暮らし方を踏まえて、無理のない選択を一緒に考えていきましょう。
まずは、「この家を今後どうしたいか」を家族で言葉にしてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考:日本経済新聞「賃貸用リノベに優遇融資 国交省、空き家など流通促す」(2026年9月21日)
これからの住まいや、家・土地についてお考えの方へ
実家・空き家・土地・これからの住まいなど、何から考えればよいかわからない段階でもご相談いただけます。
現在の状況やお客様のご意向を伺いながら、これからどうするかを一緒に整理していきます。
